アド・アストラ 6巻
アド・アストラ 6巻を電子書籍化。
もう慣れましたけど相変わらず地味な表紙です。
前巻で包囲が完成し、ローマ軍への一方的な圧殺が始まり、結果として5万のカルタゴ軍が7万のローマ軍を包囲しローマ軍6万人が死亡、1万人が捕虜となりありえない大敗をします。
それだけではなく、ローマは傭兵などは使用せず、すべてが市民兵だったので、国力に大きなダメージを受けたほか、国をけん引する二人いる執政官(現代風に言えば大統領)の一人の他、元老院議員の約1/4の80名が死亡という結果に。
本来なら、主力が壊滅したので、首都ローマを攻めるかと思いきや、ローマ傘下の同盟都市の離反を促し孤立させてから滅ぼすという戦略を立てていた為、後回しに。
この判断は徐々にじり貧になっていくので、後の世では間違いだったと言われる事もあるけど、ローマ同盟の結束の強さが異常だったので、しょうがない気もします。
ちなみに、騎兵隊長のマハルバルの「あなたは勝利を得ることができるが、それを活用することは知らない」のセリフがきちんと出たのが地味に嬉しいです。
ただ、マハルバルさんがすごく悪く書かれ過ぎている気もします…。
敗戦したローマでは敗軍の将を罰する法が無いため、ウァロには明確な処罰がくだされず、当時は負けたら死刑という国が少なくなかった点を考えると寛大すぎる気もしますが、その後もウァロは前線に立ち続け、少なからず功績をあげていることを考えると中々理性的な判断で、それだけでも尊敬に値する制度だと思います。
そして、持久戦論者でローマの盾と呼ばれるファビウスに対して、執政官経験者でガリア戦などで一騎打ちに勝利したりしているローマの剣と呼ばれるマルケルスが登場。
彼はシチリア島を奪還したりハンニバルに引き分けたり負けたりしながら果敢に追跡し続けた名将なので時間以降が楽しみです。
今まではカルタゴ側が一方的に優勢だったのですが、ローマの地味な嫌がらせの様な戦略が始まり、徐々に形勢が変わって行くのですが、個人的に好きなスキピオは当時のローマでは役職が無い若造に過ぎないので、大きな活躍が無いのですが、その辺はマンガでどう描かれるのかが楽しみです。





