妖狐
作者買いしている水上悟志の戦国妖狐 12巻を電子書籍化。
この作者は話の作り方や複線の貼り方がうまく、短編も長編も
どれも面白いです。
また、作品ごとに少しずつ設定がリンクしていることがあり、
それを考えながら読むのもおすすめです。
人間と闇(かたわら)と呼ばれる妖怪のストーリーで
現在の第二部では第一部で頼りなかった青年の風祭 真介が
立派な大人になって、第二部の主人公 千夜の保護者をつとめていたり
第一部とうまくつなっがていておすすめです。
また、この作者の最初の連載作品の散人左道に出てくる主人公が
襲名する邪仙の称号の初代と思われる人が出てきたり、
短編集に収録された 百鬼町シリーズは闇(かたわら)から転じたと思われる、
おとなりさんと呼ばれる妖怪が住む町のはなしで、その百鬼町の
顔役が風祭と雷同という姓でともに戦国妖狐の登場人物と同姓だったりと、
話同士のつながりを考えるとまた違う楽しみ方ができます。
ちなみに奈良、平安、鎌倉、室町、江戸の全将軍の中で私が一番好きな将軍は
足利義輝なのですが、この作品に登場して、しかもかなり格好いい役だったので
それだけでも大満足です。