月の珊瑚

月の珊瑚を電子書籍化。

かぐや姫をモチーフにしたSF風味のおとぎ話とのこと。

原作の小説は一度読んでいたのですが内容を殆ど忘れてしまっているのでとりあえず購入しました。


緩やかに衰退する世界で珍しく活気のある島で姫として育てられている少女。

彼女がいろんな人から求婚されるけど愛というものがよく解らないから無理難題を吹っ掛け、それに答えてくれた人となら結婚しようと考えていたら、手乗りサイズの商人に彼が持っている物と彼女が語るお話を物々交換しようと持ちかけられ、彼女の祖母の話をするというストーリー


確かにおとぎ話っぽい出来で充分面白いのですが、読むと端々にSFっぽい要素が多く出てきてそこから世界観を想像しながら読むとまた一層面白いです。


彼女の祖母は恐らく月を人が住める環境に整えるためのスパコンの人の形をしたインターフェイスっぽい物で、文中にケイ素で出来た体とあるので、SFでたまに出てくるシリコンなどのケイ素で身体が構成されている人工のケイ素生物だと思われます。


その他 月が氷で覆われているのは月面をテラフォーミングした際の名残かな?とか、ポールシフトの影響とか言っていたので、人類衰退の原因は地球の地軸の傾きか、地磁気かが大きく変わったことによる環境の激変かな?など物語の中に不自然にならない程度に世界観を想像させる用語が出てきてそれを拾って読むとライトなSF作品として楽しめます。


全般的に綺麗な雰囲気な作品でとても面白いです。

原作の内容を殆ど覚えていないのですが、月面を訪れた青年の詳細などが削られている気がするので、改めて原作を読み返してみようかと思います。

×

非ログインユーザーとして返信する