帰ってきたヒトラーを見てきました。

色々物議をかもした同名小説の映画版を誘われたので見てきました。


ヒトラーが現在のドイツで目覚め、テレビ局を首になった職員が彼をヒトラーの物まね芸人と思い込み、二人でドイツ中をめぐり、町の人の言葉に耳を傾けたり、討論する動画を撮影しYoutubeにアップし、話題になるとテレビ局に売り込んでデビュー。
過激ではあるが問題を的確に捉えた彼の発言は人気を博していくが…というストーリー


序盤はインターネットをインテルネット、ウィキペディアをヴィキペディアと読み、アーリア人の英知に感動して涙を流したり、グーグルで世界制覇を検索したり、かの名作ヒトラー最後の12日間のパロが有ったりとコメディなネタが多く、笑えるのですが、徐々に彼の思想が過去と変わっていない事が判明するに従い不気味になり、最終的にはこれからどうなっちゃうんだとホラー的なラストを迎えます。


この作品は面白い作りで、ヒトラーに扮した俳優が実際にベルリンなどの街中に現れ市民と対話するドキュメント的な撮影をされており、生の反応がとても興味深かい反面、彼を支持するかの質問に対し「彼が本物ならね」という返答は恐ろしさを感じました。


しかし、本当に現代によみがえったら彼の演説はやはり優れていたと思うし、昔以上にネットやテレビといった情報網が発達した現代はより広く早く彼の思想が広まると思うので、映画の様に再び時代の寵児たりえてしまうと思います。


また、恐ろしさを感じる反面、彼が作中で言っていた人身掌握術は、正しく使えば現代でも非表示役立つと思います。
特に「政情不安こそがチャンス」と「解決策をこれ以上ないほど明確に示した。」という二つのセリフは現代の政治でも十分に活用できると思いますので、野党のみなさんは、これを参考にしてくだらない揚げ足取りや、ただ反対を連呼したり、ヘンなレッテルづけするだけではなく、対案と解決策を明確なビジョンとして提示するだけで、聞く人の印象はガラッと変わると思います。


原作の小説と映画は結構違うらしく、比較的安価な文庫版も出たので購入しようかと思います。

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